2022年W杯日本代表の選手たち
早速、2022年W杯日本代表の2種所属チームを見てみると、下記のような2種所属クラブになっている。
高体連:13人 / 26人 50.0%
川島永嗣(浦和東高校)、シュミットダニエル(東北学院高校)、山根視来(第一学院高校)、谷口彰悟(熊本県立大津高校)、長友佑都(東福岡高校)、柴崎岳(青森山田高校)、守田英正(金光大阪高校)、伊東純也(神奈川県立逗葉高校)、鎌田大地(東山高校)、浅野拓磨(三重県立四日市中央工業高校)、町野修斗(履正社高校)、上田綺世(鹿島学園高校)、前田大然(山梨学院大学付属高校)
ユース(Jクラブ以外も含む):13人 / 26人 50.0%
権田修一(FC東京U-18)、板倉滉(川崎フロンターレU-18)、冨安健洋(アビスパ福岡U-18)、酒井宏樹(柏レイソルU-18)、吉田麻也(名古屋グランパスU-18)、伊藤洋輝(ジュビロ磐田U-18)、遠藤航(湘南ベルマーレユース)、堂安律(ガンバ大阪ユース)、三笘薫(川崎フロンターレU-18)、南野拓実(セレッソ大阪U-18)、久保建英(FC東京U-18)、田中碧(川崎フロンターレU-18)、相馬勇紀(三菱養和サッカークラブユース)
高体連とユース、見事に半々という結果になっている。
どちらからも同じように日本代表は輩出されているということで、どちらが優れているという話は成り立たないといえるだろう。
また、中学→高校での経歴も含めて見ると特徴的なのは、板倉滉選手(川崎フロンターレU-15→川崎フロンターレU-18)や冨安健洋選手(アビスパ福岡U-15→アビスパ福岡U-18)、堂安律選手(ガンバ大阪Jrユース→ガンバ大阪ユース)など、中高一貫でJクラブのジュニアユースからユースというキャリアパスを着実に歩んできた選手が多い点である。
他に柴崎岳選手(青森山田中学校→青森山田高校)も青森山田の中高一貫で鍛え抜かれてきている。
このようにクラブ、部活問わずに中高一貫体制で育った選手が13選手もいるのは驚きで、それだけ日本サッカーの教育プログラムが成熟してきた証ともいえるのではないだろうか。
一方で、鎌田大地選手(ガンバ大阪Jrユース→東山高校)、久保建英選手(FCバルセロナ→FC東京U-15むさし→FC東京U-18)のような選手もいるなど、選択肢が多様化しているようにも映る。
2002年W杯日本代表はどうだったか?
参考までに、20年前の2002年W杯日本代表の2種所属チームも見てみる。
高体連:18人 / 23人 78.3%
川口能活(清水市立商業高校)、秋田豊(愛知高校)、松田直樹(前橋育英高校)、森岡隆三(桐蔭学園高校)、服部年宏(東海大学第一高校)、中田英寿(韮崎高校)、森島寛晃(東海大学第一高校)、西澤明訓(静岡県立清水東高校)、中山雅史(静岡県立藤枝東高校)、鈴木隆行(茨城県立日立工業高校)、楢﨑正剛(奈良育英高校)、柳沢敦(富山第一高校)、三都主アレサンドロ(明徳義塾高校)、福西崇史(新居浜工業高校)、中田浩二(帝京高校)、小野伸二(清水市立商業高校)、小笠原満男(岩手県立大船渡高校)、戸田和幸(桐蔭学園高校)
ユース:5人 / 23人 21.7%
稲本潤一(ガンバ大阪ユース)、宮本恒靖(ガンバ大阪ユース)、明神智和(柏レイソルユース)、市川大祐(清水エスパルスユース)、曽ヶ端準(鹿島アントラーズユース)
このように78%もの選手が高校サッカー部出身である。
中高一貫体制で育ってきたのは稲本潤一選手と市川大祐選手のみで、この変化もとても大きい。
付け加えると、静岡関連の所属チームが7人と多いことも目立っている。
「部活(高体連)」か「ユース(クラブチーム)」か?
2022年W杯日本代表が半々だったという結果も出ているが、当サイトFoot Luckでは多くのプロサッカー選手へインタビューを行ってきた中で、一つの結論が出ている。
・人それぞれでどちらかが正解というものではない
・自分が決めた環境で、いかに努力できるかが大事
・できる限りチームの状況を事前に知った上で決断すべき
ということである。
部活か?ユースか?その2軸で考える必要はまったくなく、チームの特徴と自分の性格・プレースタイルから納得いく進路を模索することが大事だ。
また、プロの世界ではチームや監督の方向性によって合う・合わないが生じてうまくいかないことはよくある話で、中学・高校年代でも多々起こることだろう。
インタビューの中でそのような話をされた選手もいる。
しかし、たとえ逆境でも努力を重ねてきたからプロになれた、キャリアのステップアップができた選手がいるということは紛れもない事実。
自分が選んだ進路で逆境に陥っても前向きに取り組むために、進路・チーム選びは納得いくまで考えて決断する必要がある。
※経歴は日本サッカー協会各選手ページから調査しています