スポーツ推薦・特待生制度とは
スポーツ推薦とは、高校に入学するための手段の一つです。スポーツの技能と学力(評定)がある一定以上に達している中学生を、筆記試験の免除や他の入学要件を緩和して入学させられるようにする仕組みです。
一方で特待生制度とは、このスポーツ推薦の中で、特に優秀な中学生に対して入学金や学費の免除という待遇で入学させるものです。強豪校サッカー部においては、毎年メンバーのほとんどがスポーツ推薦での入学というケースも当たり前です。「スポーツ推薦で強豪校に行ける」「特待生で〜高校にスカウトされた」という話も周りのサッカーをする中学生から聞くことも、中学3年生になればあると思います。
スポーツ推薦・特待生制度の仕組みについて
強豪私立高校には、サッカー部を強化して学校の知名度をあげてブランド価値を高めるための、特待生予算なるものがあります。例えば毎年30人の選手を獲得している高校であれば、1〜10人ほどの幅で全額免除や部分免除の選手がいます。学校側とすると数百万円〜数千万円の収入損失です。ですがこれは、残りのスポーツ推薦の学生が費用を全額支払うことで、成り立ちます。某強豪私立高校を例に出すと、1人の全額免除特待生を獲得するのに、5人の免除なしスポーツ推薦入部者を必要とするように学校が指導者に伝えています。
ここで特に気をつけたいのが、1学年30人ほどの選手がいる高校でスポーツ推薦を獲得した場合、自分が特待生を除いた20〜25人の中で実力順位でどれくらいの評価なのかということです。高校の指導者はスカウトやセレクション(練習会)で多くの選手を決めますが、全員を決めるのは簡単ではありません。20人は獲得したいという選手がいたとすると、残りの10人は何とか免除なしの条件で入部させたいのです。そうなると学校によって優先順位は異なりますが、「学校がある都道府県内の選手」「主力選手が所属していたチームの選手」「指導者のつながりがある選手」などの条件から埋めていきます。純粋な実力順位だけではなく、大人の事情です。
これらを踏まえて
これらはあくまで参考にしてもらえればという内容ですが、ぜひ中学生や保護者は1度考えてみてください。入学時は評価が高くなくても活躍する選手もいますが、毎年有望な下級生も入り競争が激しくなる中で、なかなか試合に絡めず高校生活を終わらせてしまうケースも多いです。スポーツ推薦がもらえたとしても、『自分がその高校で本当に評価されているか』『低い評価のスタートでも、這い上がる覚悟があるか』などの観点でしっかり考えましょう。